法令上、一級ボイラー技士をボイラー取扱作業主任者として選任できない作業は、次のうちどれか。
ただし、いずれのボイラーも、異常があった場合に安全に停止させることができる機能を有する自動制御装置を設置していないものとする。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は一級ボイラー技士を選任できない作業を選ぶので、○ が答え(一級ボイラー技士を選任できない作業)です。
ボイラー及び圧力容器安全規則(ボイラー則)第24条第1項第1号により、伝熱面積の合計が500m²以上の作業では、特級ボイラー技士から作業主任者を選任します。
ただし、貫流ボイラーのみを取り扱う場合は、この区分から除かれます。
伝熱面積の合計は、同条第2項の定めにより算定します。
貫流ボイラーは伝熱面積の1/10、廃熱ボイラーは1/2として数えます。
廃熱ボイラーとは、火気以外の高温ガスを加熱に利用するボイラーです。
小規模ボイラー(労働安全衛生法施行令第20条第5号イ〜ニ)の伝熱面積は算入しません。
電気ボイラーの伝熱面積は、出題当時のボイラー則第2条第4号により、電力設備容量20kWを1m²とみなして換算します。
本問のボイラーは自動制御装置を備えていないので、同条第2項第4号による算入の除外はありません。
【計算】
肢1の合計=245×2=490m²です(伝熱面積14m²の温水ボイラーは小規模ボイラーなので算入しません)。
肢2の電気ボイラー1基の伝熱面積=400÷20=20m²です。
肢2の合計=20×20=400m²です。
肢3の合計=180×1/2×6=540m²です。
肢4の合計=165×3+40×1/10=495+4=499m²です。
肢5の合計=485m²です(伝熱面積3m²の蒸気ボイラー5基は小規模ボイラーなので算入しません)。
【選択肢別解説】
1:× 合計490m²で500m²未満なので、一級ボイラー技士を選任できます。
伝熱面積14m²の温水ボイラーは小規模ボイラーに当たり、算入しない点がポイントです。
2:× 20kWを1m²とみなすと、電気ボイラー1基の伝熱面積は20m²です。
20基の合計は400m²で500m²未満なので、一級ボイラー技士を選任できます。
3:○ 廃熱ボイラーは伝熱面積を1/2として算定するので、180×1/2=90m²が6基で合計540m²です。
500m²以上になるため特級ボイラー技士を選任する必要があり、一級ボイラー技士は選任できません。
4:× 貫流ボイラーは1/10として40×1/10=4m²となり、蒸気ボイラー3基の495m²と合わせて499m²です。
500m²未満なので、一級ボイラー技士を選任できます。
5:× 伝熱面積3m²の蒸気ボイラーは小規模ボイラーなので算入せず、合計は485m²です。
500m²未満なので、一級ボイラー技士を選任できます。
【ポイント】
算定のルールは「貫流ボイラーは1/10」「廃熱ボイラーは1/2」「電気ボイラーは20kWを1m²」「小規模ボイラーは算入しない」の4つです。
なお、2023年12月18日施行の改正で、電気ボイラーの換算は「60kWを1m²」に改められました。
現行の換算では肢2は約133m²になりますが、500m²未満で一級ボイラー技士を選任できる結論は変わりません。
貫流ボイラーのみを取り扱う場合は、合計が500m²以上でも一級ボイラー技士を選任できる点も押さえておきましょう。