伝熱に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 固体壁の表面とそれに接する流体との間の熱移動を熱伝導といい、液体の沸騰又は蒸気の凝縮のように相変化を伴う場合の熱伝導率は極めて大きい。
B 平板壁の熱伝導によって伝わる熱量は、壁の両側面の温度差及び厚さに比例し、伝熱面積に反比例する。
C 放射伝熱によって伝わる熱量は、高温物体の絶対温度と低温物体の絶対温度との差の四乗に比例する。
D 固体壁を通した高温流体から低温流体への熱移動を熱通過又は熱貫流といい、一般に熱伝達及び熱伝導が総合されたものである。
正答5
解説
正解は5です。
伝熱の3形態(熱伝導・熱伝達・放射伝熱)と熱通過の定義を問う問題です。
用語の取り違えと、熱量が何に比例するかが判断のポイントです。
【記述別解説】
A:× 固体壁の表面と流体との間の熱移動は、熱伝導ではなく熱伝達といいます。
相変化を伴う場合に極めて大きくなるのは、熱伝達率です。
熱伝導は、固体の内部を高温部から低温部へ熱が伝わる現象を指します。
B:× 平板壁の熱伝導による熱量は、厚さに比例するのではなく反比例します。
また、伝熱面積には反比例するのではなく比例します。
熱量は、熱伝導率と伝熱面積と温度差の積を厚さで割った値になります。
C:× 放射伝熱による熱量は、絶対温度の差の四乗に比例するのではありません。
高温物体と低温物体のそれぞれの絶対温度の四乗の差に比例します。
これをステファン・ボルツマンの法則といいます。
D:○ 固体壁を隔てた高温流体から低温流体への熱移動を、熱通過又は熱貫流といいます。
高温側の熱伝達、壁内の熱伝導、低温側の熱伝達が組み合わさったものです。
【選択肢別解説】
1:× A・Bはいずれも誤りなので、この組合せは誤りです。
2:× A・B・Cはいずれも誤りなので、この組合せは誤りです。
3:× A・Cが誤りなので、この組合せは誤りです。
4:× Cが誤りなので、この組合せは誤りです。
5:○ 正しい記述はDだけなので、これが正解です。
【ポイント】
「壁の内部は熱伝導、壁と流体の間は熱伝達」と区別して覚えます。
放射伝熱は「四乗の差」、熱伝導は「面積と温度差に比例し厚さに反比例」が頻出です。