ボイラーの内面腐食に関するAからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A 一般的に、腐食は電気化学反応で起こり、ボイラー水中に溶存酸素が存在すると鉄が溶出し腐食が進行するが、腐食の進行に伴い酸化鉄は、溶解度が小さく堅固な保護被膜を生成し、この被膜により腐食の速度が緩やかになる。
B マグネタイトが生成する保護被膜は、pHが4.8~8.3の範囲でその溶解度が最低となるため、内部腐食の進行を抑制するためには、溶存酸素濃度を低く保つとともに、pHを適正な範囲内に保つことが必要である。
C グルービングとは、主に溶存酸素によりボイラー胴、鏡板、炉筒などの鉄面や、管の水側部に米粒から豆粒大の点状に発生する腐食をいう。
D ボイラーの熱負荷の高いところでは、管壁とスケールの間で水酸化ナトリウムが濃縮し、激しいアルカリ腐食を起こすことがある。
正答3
解説
正解は3です。
ボイラーの内面腐食(溶存酸素による腐食、保護被膜、グルービング、アルカリ腐食)を問う問題です。
【記述別解説】
A:○ 適切です。
腐食は電気化学反応で起こり、溶存酸素があると鉄が溶け出します。
腐食が進むと溶解度の小さい酸化鉄の保護被膜ができ、腐食の速度が緩やかになります。
B:× マグネタイトの保護被膜の溶解度が最低になるのは、pH4.8〜8.3の範囲ではありません。
温度にもよりますが、pH9〜12程度のアルカリ性の範囲です。
溶存酸素を低く保ちpHを適正に保つ必要がある、という後半は正しい内容です。
C:× 米粒から豆粒大の点状に生じる腐食はピッチング(孔食)であり、グルービングではありません。
グルービングは細長く連続した溝状の腐食で、曲げ応力や溶接による応力が大きく作用する箇所に生じます。
D:○ 適切です。
熱負荷の高い部分では、管壁とスケールの間で水酸化ナトリウムが濃縮し、激しいアルカリ腐食を起こすことがあります。
【選択肢別解説】
1:× 不適切なBとCを含み、適切なDが抜けています。
2:× 不適切なCを含み、適切なDが抜けています。
3:○ AとDの組合せで、適切な記述だけを全て挙げています。
4:× 不適切なBとCを含み、適切なAが抜けています。
5:× 不適切なBを含み、適切なAが抜けています。
【ポイント】
pH4.8とpH8.3は、酸消費量を測るときの終点のpHであり、保護被膜とは関係がありません。
「点状はピッチング、溝状はグルービング」と形で区別します。