正答4
解説
正解は4です。
声帯麻痺の多くは、迷走神経の枝である反回神経の障害によって起こります。
麻痺の原因部位、左右差、一側性と両側性の症状の違いを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 声帯麻痺は中枢性より末梢性が多くなります。
反回神経が手術や腫瘍などで障害される末梢性の麻痺が大部分です。
2:× 挿管性の声帯麻痺は、多くが数か月以内に自然回復します。
そのため早期に手術はせず、まずは経過観察や音声治療を行います。
3:× 一側性の声帯麻痺は右側より左側に多くみられます。
左の反回神経は大動脈弓を回るため走行が長く、障害を受けやすいからです。
4:○ 一側性の声帯麻痺では声門が閉じきらず、呼気が漏れるため気息性嗄声が特徴となります。
5:× 両側性の声帯麻痺では、声帯が正中付近で固定されると声門が狭くなり、呼吸困難が主な症状になります。
嚥下障害が主症状となるわけではありません。
【ポイント】
「一側性は気息性嗄声と誤嚥、両側性は呼吸困難」と整理しましょう。
左反回神経は大動脈弓、右反回神経は鎖骨下動脈を回って上行するため、胸部の病変では左が障害されやすくなります。
【用語】
声帯麻痺:声帯を動かす神経の障害で声帯の動きが悪くなり、嗄声や誤嚥などを生じる状態である。
反回神経:迷走神経から分かれて喉頭の筋を支配し、声帯の動きに関わる神経である。
気息性嗄声:声門が十分に閉じず、息の漏れた音が混じるかすれ声である。
挿管性:気管挿管の際の刺激や圧迫が原因で起こることを指す。