正答5
解説
正解は5です。
物品の呼称障害が、特定の感覚の入り口だけで起こるのか、すべての感覚で起こるのかを区別する問題です。
見ても触れても名前が言えない、つまり感覚の種類にかかわらず呼称が障害される状態が問われています。
【選択肢別解説】
1:× 視覚性失認では、触れれば物品の名前を言えます。
障害は視覚による認知に限られ、触覚や聴覚では認知できるためです。
2:× 触覚性失認では、見れば物品の名前を言えます。
障害は触覚による認知に限られるためです。
3:× 視覚性失語では、触れれば物品の名前を言えます。
物を見て認知はできているのに、視覚からの呼称だけが障害される状態です。
4:× 触覚性失語では、見れば物品の名前を言えます。
触った物を認知できるのに、触覚からの呼称だけが障害される状態です。
5:○ 健忘性失語(失名詞失語)では、見ても触れても物品の名前が正しく言えません。
喚語困難が主症状で、どの感覚から入力しても語が想起できないためです。
【ポイント】
失認は「認知できない」、感覚モダリティ特異的失語は「認知できるが、その感覚からだけ呼称できない」と区別します。
健忘性失語は流暢な発話で、聴理解と復唱が良好な失語症です。
【用語】
視覚性失認:目で見ただけでは物が何かわからないが、触れば何かわかる状態である。
触覚性失認:触っただけでは物が何かわからないが、見ればわかる状態である。
視覚性失語:見た物の名前は言えないが、触るなど他の感覚ならわかって言える状態である。
健忘性失語:物の名前がうまく出てこない喚語困難が中心の失語で、感覚の種類を問わない。
触覚性失語:触った物が何かはわかるのに、触覚からはその名前を言えない状態である。