正答2
解説
正解は2です。
伝音難聴の程度は、鼓膜と耳小骨連鎖による音圧の増幅がどれだけ失われるかで決まります。
最も聴力低下が大きくなる病態を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× 鼓室内の滲出液は鼓膜と耳小骨の動きを妨げますが、難聴は軽度から中等度にとどまることが多いです。
2:○ 鼓膜が保たれたまま耳小骨連鎖が離断すると、鼓膜で受けた音が内耳へほとんど伝わらず、鼓膜が音をさえぎる壁になります。
そのため最大でおよそ60dB程度の大きな低下が生じます。
3:× 鼓膜に穿孔があると、音が穿孔部から直接内耳窓へ届く経路ができます。
そのため連鎖離断があっても、鼓膜が閉じている場合より低下は小さくなります。
4:× 耳小骨連鎖が保たれていれば、鼓膜穿孔による低下は穿孔の大きさに応じた軽度から中等度にとどまります。
5:× 鼓膜の石灰化は鼓膜の可動性がわずかに落ちるだけで、聴力低下はほとんどないか軽度です。
【ポイント】
伝音難聴の最大値はおよそ60dBで、それを超える難聴は感音成分の関与を考えます。
「鼓膜正常+連鎖離断」が最大の伝音難聴になる点が頻出です。
【用語】
耳小骨連鎖離断:ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨のつながりが外傷などで切れ、音が内耳に伝わらなくなる状態である。
鼓膜穿孔:鼓膜に孔があいた状態で、中耳炎や外傷が原因となり、難聴の原因になる。
滲出液:炎症などで血管や組織からしみ出る液体で、中耳では鼓室内にたまり耳の聞こえを悪くする。
石灰化:組織にカルシウム塩が沈着して硬くなることで、鼓膜では白い斑状にみえる。