正答4
解説
正解は4です。
補充現象(リクルートメント現象)は、音が小さいうちは聞こえにくいのに、少し大きくなると急に大きく感じる現象です。
内耳性(迷路性)の感音難聴にみられます。
【選択肢別解説】
1:× 補充現象は中耳の障害ではなく、内耳の有毛細胞の障害によって生じます。
伝音難聴ではみられません。
2:× 聴覚閾値が上がる一方で不快閾値はあまり上がらないため、ダイナミックレンジは拡大ではなく狭くなります。
3:× 不快閾値は健聴耳とほぼ同じか、むしろ低いことがあります。
健聴耳より上昇するわけではありません。
4:○ 外有毛細胞は小さな音を増幅する働きを担っています。
この増幅機能が低下すると、小さい音だけが聞こえにくくなり、補充現象が生じます。
5:× 音の強さに対するラウドネスの上昇は緩慢ではなく、急峻になります。
【ポイント】
補充現象の検査にはSISI検査、ABLB検査、自記オージオメトリ、不快閾値の測定などがあります。
補聴器では、ダイナミックレンジの狭さに合わせた非線形増幅(圧縮)が必要になります。
【用語】
ダイナミックレンジ:聞こえる最小の音から不快に感じない最大の音までの、音の強さの範囲である。
不快閾値:音を大きくしていったときに、不快で耐えがたく感じ始める音の強さである。
外有毛細胞:蝸牛のコルチ器にある感覚細胞で、収縮して基底膜の振動を増幅し、小さい音の感度を高める。
ラウドネス:音の大きさに対する主観的な感覚の量で、音圧が同じでも周波数によって異なる。