正答5
解説
正解は5です。
この問題は中大脳動脈領域の梗塞で起こらないものを選ぶので、○ が答えです。
左中大脳動脈は、ブローカ野・ウェルニッケ野を含む言語野の大部分を灌流します。
【選択肢別解説】
1:× ブローカ野は中大脳動脈の上方の枝が灌流する領域で、その梗塞でブローカ失語が起こります。
2:× ウェルニッケ野は中大脳動脈の下方の枝が灌流する領域で、その梗塞でウェルニッケ失語が起こります。
3:× 左中大脳動脈の本幹が閉塞すると、言語野全体が障害されて全失語が起こります。
4:× 発語失行は左中心前回下部などの損傷で起こり、この部位は中大脳動脈領域です。
5:○ 左視野の失読は、脳梁膨大部などの損傷で右半球の視覚情報が左半球の言語野へ届かなくなる離断症状です。
脳梁膨大部は主に後大脳動脈や前大脳動脈が灌流するため、中大脳動脈領域の梗塞では起こりません。
【ポイント】
純粋失読は左後大脳動脈領域、左手の失行・失書は前大脳動脈領域(脳梁)の病変で起こります。
血管の灌流域と症状を対応させて覚えましょう。
【用語】
発語失行:麻痺がないのに、構音動作のプログラムの障害で、音の歪みや探索的な構音をきたす症状である。
全失語:聴く・話す・読む・書くのすべてが重度に障害される、最も重い失語症のタイプである。
離断症状:脳の領域同士を結ぶ線維の損傷で、離れた領域間の情報のやりとりが妨げられて生じる症状である。
脳梁膨大部:脳梁の後端の厚く膨らんだ部分で、左右の後頭葉などをつなぐ線維を含む。
失読:後天的な脳損傷により、文字を読んで理解したり音読したりする能力が障害された状態である。