正答5
解説
正解は5です。
鼻音化母音の音響的特徴を問う問題です。
鼻音化母音は、軟口蓋が下がって鼻腔にも気流が流れる状態で産出される母音です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
軟口蓋が下がって鼻咽腔が開くことで、鼻腔が共鳴腔に加わります。
2:× 正しい記述です。
口腔と鼻腔が分岐した共鳴系では、特定の周波数でエネルギーが弱まるアンチホルマント(反共鳴)が現れます。
3:× 正しい記述です。
鼻腔の共鳴により、口腔のホルマントとは別の新たなピーク(鼻音ホルマント)が現れます。
4:× 正しい記述です。
鼻腔の粘膜による音響エネルギーの吸収で、ホルマントの帯域幅が広がり、特に第1ホルマントのピークが弱まります。
5:○ 誤った記述です。
鼻音化母音では口は開いたままなので、口腔からも音が放射されます。
口腔からの放射がなく鼻腔からだけ放射されるのは、口腔が閉鎖される鼻子音です。
【ポイント】
鼻音化の音響的特徴は、反共鳴の出現、鼻音ホルマントの出現、第1ホルマントの弱化と帯域幅の拡大です。
開鼻声の評価でも同じ特徴が手がかりになります。
【用語】
鼻音化:軟口蓋を下げて呼気の一部を鼻腔にも通して発音することを指す。
アンチホルマント:スペクトルの特定の周波数でエネルギーが弱くなる谷のことで、反共鳴ともいう。
ホルマント:声道の共鳴によって生じる、スペクトル上のエネルギーが強い周波数帯である。
軟口蓋:口蓋の後ろ側のやわらかい部分で、上下して鼻腔への通り道を開閉する。