正答5
解説
正解は5です。
外耳から聴神経までの聴覚の仕組みと、音の方向を知る仕組みを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 外耳道の共鳴で増強されるのは1000Hz付近ではなく、3000Hz前後の音です。
外耳道が一端を鼓膜で閉じた約2.5cmの管だからです。
2:× ヒトの音響性耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)は、主に顔面神経に支配されるアブミ骨筋の収縮によります。
鼓膜張筋は主な担い手ではありません。
3:× 内耳性難聴では補充現象のため、聴力レベル40dB程度なら反射は通常保たれます。
40dBで反射が欠如する場合は、内耳性ではなく後迷路性難聴などを疑います。
4:× 音の機械的振動を電気信号に変換するのは、聴神経ではなく蝸牛の有毛細胞です。
聴神経はその信号を脳へ伝えます。
5:○ 正しい記述です。
高い音は頭で遮られやすく、音源と反対側の耳では音が弱くなります。
そのため2000Hz前後より高い音では、両耳間の強度差が方向知覚の主な手がかりになります。
【ポイント】
音の方向知覚は、低音では両耳間の時間差(位相差)、高音では両耳間の強度差が主な手がかりです。
アブミ骨筋反射は顔面神経の検査にも使われます。
【用語】
外耳道:耳介から鼓膜までの管で、音を鼓膜へ導き特定の高さの音を共鳴させる。
音響性耳小骨筋反射:大きな音を聞いたとき耳小骨に付く筋が収縮し、中耳の伝音を抑える反射である。
鼓膜張筋:ツチ骨に付く中耳の筋で、収縮して鼓膜を引き締める。
内耳性難聴:音を電気信号に変える蝸牛などの内耳が障害されて起こる難聴である。
方向覚:音がどの方向から来ているかを判断する感覚で、左右の耳に届く音の差を手がかりにする。