正答5
解説
正解は5です。
書き取り(聞いた語を書く)では、聞いて理解する過程と、音を文字に変える過程が使われます。
呼称(物や絵の名前を言う)では、見た物から語を思い出す過程(語想起)が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 聴覚的理解障害があれば、聞いた語を理解して書くことが難しくなります。
書き取りが良好であることと合いません。
2:× 構成障害は、図形を描いたり組み立てたりする能力の障害です。
語を言う呼称の困難の原因にはなりません。
3:× 文字-音韻変換は、文字を見て音に変える音読の過程です。
呼称にも書き取りにも直接は関わりません。
4:× 音韻-文字変換は、音を文字に変える書き取りの過程です。
書き取りが良好なので、この過程は保たれていると考えられます。
5:○ 正しい選択肢です。
理解や音韻から文字への変換は保たれているのに、物を見て名前を思い出す段階が障害されると、呼称だけが困難になります。
これは語想起障害と考えられます。
【ポイント】
課題ごとに使われる処理過程を分けて考えると、障害された段階を推定できます。
認知神経心理学的なモデルで、どの経路が使われているかを図にして考える習慣をつけましょう。
【用語】
呼称:目で見た物の名前を言葉に出して答えることを指し、失語症の検査でよく行われる。
書き取り:聞いた語や文を、文字に書き記すことを指し、書字の力を調べる課題である。
語想起障害:言いたい言葉がなかなか思い出せない症状で、失語症で広くみられる。
文字-音韻変換障害:文字を見て、それに対応する音に変えることができなくなる障害である。
音韻-文字変換障害:音を、それに対応する文字に変えることができなくなる障害である。
構成障害:図形を描いたり積み木を組み立てたりするなど、全体の形をまとめられない障害である。