正答4
解説
正解は4です。
全失語は、左半球(言語優位半球)の広い範囲の損傷で、言語のすべての側面が重度に障害されたものです。
合併しやすいのは、同じく左半球の損傷で生じる症状です。
【選択肢別解説】
1:× 地誌的失見当は、よく知った場所で道に迷う症状です。
主に右半球の後部内側の損傷で生じ、全失語との合併頻度は高くありません。
2:× 物体失認は、見た物が何かわからない視覚性の失認です。
主に両側の後頭側頭葉の損傷で生じ、全失語に合併する頻度は高くありません。
3:× 相貌失認は、よく知った人の顔がわからない症状です。
主に右または両側の紡錘状回の損傷で生じます。
4:○ 観念性失行は、道具を使う一連の動作を正しく行えなくなる症状です。
左頭頂葉の損傷で生じ、左半球の広範な損傷による全失語に合併しやすいです。
5:× 着衣失行は、服をうまく着られなくなる症状です。
主に右頭頂葉の損傷で生じ、全失語との合併頻度は高くありません。
【ポイント】
左半球損傷では失語、観念性失行、観念運動性失行、ゲルストマン症候群が出やすいです。
右半球損傷では半側空間無視、着衣失行、地誌的障害が出やすいです。
【用語】
全失語:言語のすべての側面が重度に障害された、失語症の最も重い型である。
観念性失行:個々の動作はできるが、道具を使う一連の行為の順序や使い方を誤る症状である。
地誌的失見当:よく知っている場所で道に迷うなど、場所の見当がつかなくなる症状である。
物体失認:視力に問題がないのに、見た物が何であるかがわからない症状である。
相貌失認:よく知っている人の顔を見ても、誰だか判別できない症状である。
着衣失行:麻痺や理解の障害がないのに、衣服をうまく着られない症状である。