正解を2つ選んでください。
正答2・5
解説
正解は2と5です。
この問題は用いられないものを選ぶので、○ が答え(喉頭全摘出後の発声に使わない器具)です。
喉頭全摘出術では気道と食道が完全に分けられ、首の永久気管孔で呼吸します。
発声の手段には、食道発声、人工喉頭(電気式・笛式)、ボイスプロテーゼを使うシャント発声があります。
【図の所見】
aは、つばのある短い筒に細長いひもが付いた器具で、気管と食道の間に入れるボイスプロテーゼです。
bは、段の付いた短い筒の端にL字形の突起がある器具です。
気管切開孔に装着するスピーチバルブなどの器具と考えられ、それ自体で声の音源をつくるものではありません。
cは、穴の開いた板状のつばに湾曲した管が付いた器具で、気管カニューレです。
dは、気管孔に当てるカップと口にくわえる管がつながった器具で、笛式人工喉頭です。
eは、筒状の本体に押しボタンとコードの付いた器具で、首に当てて振動音を出す電気式人工喉頭です。
【選択肢別解説】
1:× aのボイスプロテーゼは、気管食道シャントに留置し、呼気を食道へ送って食道の粘膜を振動させます。
喉頭全摘出後のシャント発声に用います。
2:○ bは気管切開孔に装着する器具で、スピーチバルブのように喉頭が残っている患者が呼気を喉頭に通すためのものです。
喉頭全摘出後は喉頭がないため、音声獲得の手段には用いません。
3:× dの笛式人工喉頭は、気管孔からの呼気でゴムの膜を振動させ、その音を管で口の中に導きます。
喉頭全摘出後の発声に用います。
4:× eの電気式人工喉頭は、頸部に当てた本体の振動音を口の中で構音して話します。
喉頭全摘出後の発声に用います。
5:○ cの気管カニューレは、気管孔や気管切開孔を保つための管で、発声のための器具ではありません。
喉頭全摘出後の音声獲得の手段には当たりません。
【ポイント】
喉頭全摘出後の代用音声は、食道発声、シャント発声、電気式人工喉頭、笛式人工喉頭の4つです。
スピーチバルブは喉頭がある気管切開患者に使うものなので、混同しないようにしましょう。
【用語】
喉頭全摘出術:喉頭をすべて取り除く手術で、気道と食道は完全に分離される。
電気式人工喉頭:電気で発生させた振動を首に当て、声の代わりとなる音を出す器具である。
笛式人工喉頭:呼気で振動板を鳴らし、管を通して口に導いて音を出す器具である。
ボイスプロテーゼ:気管と食道の間に挿入する小さな弁で、呼気を食道に送って発声を可能にする器具である。
気管カニューレ:気管切開孔や気管孔に挿入して、気道を確保するための管である。
スピーチバルブ:気管カニューレに付ける一方向弁で、呼気を喉頭に通して発声を可能にする器具である。