正答5
解説
正解は5です。
図は、2cm³カプラで測った補聴器の出力音圧レベルの周波数特性です。
縦軸は出力音圧、横軸は周波数で、Aが上側、Bが下側の曲線です。
【図の所見】
曲線Aは200〜6000Hzでおおむね90〜108dB SPLにあり、入力音圧の高い90dB SPLのときの出力と読めます。
曲線Bは200〜6000Hzでおおむね70〜87dB SPLにあり、入力音圧60dB SPLのときの出力と読めます。
どちらも両端の低音域と8000Hz付近の高音域では出力が下がります。
どちらの曲線も低音から3000Hz付近に向かって出力が上がり、3000Hz付近にピークがあります。
2000HzではAの出力が約104dB SPL、Bの出力が約84dB SPLです。
【計算】
利得=出力音圧レベル-入力音圧レベルです。
2000HzのAの利得は、104-90=約14dBです。
2000HzのBの利得は、84-60=約24dBです。
利得の差は、24-14=約10dBです。
【選択肢別解説】
1:× 3000Hz付近のピークは、補聴器のイヤホン(レシーバー)や音の通り道の共鳴などの音響特性によるものです。
人の可聴閾値が低いことによって生じるものではありません。
2:× Aは入力90dB SPLのときの曲線で、出力が飽和に近い最大出力音圧の特性を示します。
この曲線からは、補聴器の最大利得は求められません。
3:× Bの1000Hzでの約78dBは、利得ではなく出力音圧レベルです。
利得は78-60=約18dBです。
4:× この補聴器は高い周波数ほど出力が大きくなる特性で、高音漸傾型の難聴に適合する調整です。
5:○ 2000Hzでの利得はAが約14dB、Bが約24dBで、その差は約10dBです。
入力が30dB大きくなっても出力は20dBしか増えず、利得が圧縮されていることを示します。
【ポイント】
補聴器特性の測定では、入力90dB SPLで最大出力音圧(OSPL90)を、入力60dB SPLなどで利得や周波数特性を調べます。
図の縦軸が「出力」か「利得」かを必ず確認しましょう。
【用語】
2cm³カプラ:補聴器の特性を測るときに耳の代わりに用いる、容積2立方センチメートルの音響カプラである。
周波数レスポンス:補聴器が、周波数ごとにどれだけ音を出力するかを示した特性である。
高音漸傾型難聴:高い音ほど聞こえが悪い難聴で、高音域の増幅が重要である。
最大利得:利得調整器を最大にしたときに得られる、入力と出力の音圧レベルの差の最大値である。
最大出力音圧:強い音を入力したときに補聴器が出せる上限の出力音圧で、入力90dB SPLで測定する。