正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
人工内耳の仕組みと手術の適応を問う問題です。
人工内耳は、体外の装置で音を電気信号に変え、蝸牛に入れた電極でラセン神経節の聴神経を直接刺激する装置です。
【選択肢別解説】
1:○ 音の大きさ(ラウドネス)の感じ方は、刺激の電荷量で調節します。
電荷量は電流の強さと刺激パルスの幅で決まり、マッピングで調整します。
2:× 音の情報は電極ではなく、体外のスピーチプロセッサで処理されます。
電極は処理された信号に従って聴神経を刺激する役割です。
3:× 蝸牛奇形は禁忌ではありません。
蝸牛がない場合などを除き、多くの奇形例で手術が行われています。
4:× 術後の聞き取りの成績は、ラセン神経節の残り具合と関係します。
刺激を受け取る神経細胞が少ないと、成績が下がると考えられています。
5:○ 髄膜炎の後は蝸牛が骨化し、電極を挿入できなくなるおそれがあります。
そのため、骨化が予想される場合は1歳未満でも早期に手術の適応とされます。
【ポイント】
小児の人工内耳の適応は原則1歳以上ですが、髄膜炎後の蝸牛骨化が予想される場合は例外的に早期手術を検討します。
ラウドネスは電荷量、音の高さは刺激する電極の位置で表現されます。
【用語】
人工内耳:手術で内耳に電極を入れ、音を電気信号で直接聴神経に伝える聴覚補助機器である。
ラウドネス:音の大きさに対する聴覚上の感覚を指し、人工内耳では電気刺激の量で表される。
蝸牛骨化:髄膜炎などのあとに、内耳の蝸牛が骨に変わって硬くなってしまう状態である。
ラセン神経節:蝸牛の中にあり、聴覚の信号を脳へ伝える神経細胞の集まりである。
蝸牛奇形:生まれつき内耳の蝸牛の形に異常がある状態で、人工内耳の手術の難易度に関わる。