正答5
解説
正解は5です。
聴性脳幹反応(ABR)は、音刺激で生じる聴神経から脳幹までの電位を頭皮上で記録する他覚的聴力検査です。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
ABRでは、反応を導出する関電極を頭頂部(または前額部)に置きます。
耳垂や乳様突起には、基準電極を置きます。
2:× 誤りです。
Ⅴ波は聴皮質ではなく、脳幹の外側毛帯から下丘付近に由来する波です。
ABRは脳幹までの反応を記録する検査です。
3:× 誤りです。
ABRは蝸牛神経と脳幹の聴覚路の反応です。
上前庭神経の機能は、ABRでは測定できません。
4:× 誤りです。
クリック音は広い周波数成分を含むため、周波数ごとの反応は得られません。
周波数特異的な評価には、トーンバーストやASSR(聴性定常反応)を用います。
5:○ 正しい記述です。
0dBnHLは、正常聴力者が刺激音を聞き取れる最小レベルを基準にした値です。
刺激装置や環境で異なるため、各施設で正常聴力者を測って較正します。
【ポイント】
ABRで最も安定して現れるのはⅤ波で、閾値の判定に用いられます。
クリック音のABRは主に2〜4kHz付近の聴力を反映します。
【用語】
ABR:聴性脳幹反応の略で、音刺激に対する脳幹までの聴覚路の電位を、頭皮上の電極で記録する検査である。
Ⅴ波:ABRで観察される波の一つで、脳幹の聴覚路に由来し、聴力閾値の判定に用いられる。
クリック音:持続時間がごく短く、広い周波数成分を含む音である。
ASSR:聴性定常反応の略で、周波数ごとの反応を記録して聴力を推定する検査である。
0dBnHL:正常聴力者がその刺激音を聞き取れる最小のレベルを0とした基準値で、nHLはnormal hearing levelを表す。