ある電気喉頭の振動面を断面積が一様な音響管の一端に音が漏れないように装着し、音響管のもう一端から出力される音を室温で観測した際の振幅スペクトラムを図に示す。
電気喉頭による音源の基本周波数(Hz)と音響管の長さ(cm)との組み合わせで近いのはどれか
正答1
解説
正解は1です。
図は、電気喉頭の音を一端が閉じた音響管に通したときの振幅スペクトルです。
横軸は周波数(kHz)、縦軸は相対振幅(dB)で、細かく等間隔に並ぶ線スペクトルの山と、それを包む大きな山(共鳴)が読み取れます。
【計算】
基本周波数は、隣り合う倍音の間隔に等しくなります。
図では0~1kHzの間に倍音の線が約8本並んでおり、間隔は約120Hzです。
共鳴の山は約0.5kHz、1.5kHz、2.5kHz、3.5kHz、4.5kHzにあり、1:3:5:…の奇数倍の関係です。
これは一端が閉じ、他端が開いた管の共鳴で、第1共鳴周波数=音速÷(4×管の長さ)です。
室温の音速を約340m/sとすると、管の長さ=340÷(4×500)=0.17mです。
したがって、管の長さは約17cmです。
【選択肢別解説】
1:○ 倍音の間隔から基本周波数は約120Hz、第1共鳴の約500Hzから管の長さは約17cmとなり、どちらも一致します。
2:× 管の長さ14cmでは第1共鳴が約600Hzとなり、図の約500Hzと一致しません。
3:× 基本周波数150Hzでは1kHzまでに倍音が約6本しか並ばず、図の間隔と一致しません。
4:× 基本周波数150Hz、管の長さ14cmのどちらも図と一致しません。
5:× 基本周波数180Hzでは倍音の間隔が広すぎ、1kHzまでに5本程度しか並びません。
【ポイント】
声道を一端閉管とみなすと、長さ17cmで共鳴(ホルマント)は500Hz、1500Hz、2500Hzになります。
これは成人男性の中性母音のホルマントの目安として頻出です。
【用語】
電気喉頭:喉頭を失った人が、電気的な振動を音源として声を出すために用いる器具である。
基本周波数:音の周期的な振動の最も低い周波数で、声の高さの基になる。
倍音:基本周波数の整数倍の周波数をもつ成分で、スペクトルでは等間隔に並ぶ。
振幅スペクトル:音に含まれる各周波数成分の大きさを、周波数ごとに示したものである。
ホルマント:声道の共鳴によってスペクトルに現れる山で、母音の違いを特徴づける。