正答4
解説
正解は4です。
失語症は、いったん獲得された言語が、脳の損傷によって障害された状態です。
聞く、話す、読む、書くのすべての言語モダリティが程度の差はあっても障害されます。
【選択肢別解説】
1:× 読字が正常な失語症のタイプはありません。
失語症では読字も何らかの程度で障害されます。
読字のみが障害される純粋失読などは、失語症とは区別されます。
2:× 書字が正常な失語症のタイプはありません。
失語症では書字も障害され、書字が保たれる場合は純粋語唖など失語症以外の障害を考えます。
3:× 知的能力障害は失語症の原因ではありません。
失語症はいったん獲得した言語が脳損傷で失われるもので、発達期からの知的な遅れによる言語の問題とは区別されます。
4:○ てんかんは失語症の原因になりえます。
てんかん発作後に一過性の失語が生じることや、小児のランドウ・クレフナー症候群のようにてんかん性の異常で失語を呈する疾患があります。
5:× 心因性は失語症の原因ではありません。
心理的な原因による発話の障害は心因性失声などであり、脳損傷による失語症とは区別されます。
【ポイント】
失語症の原因で最も多いのは脳血管障害で、ほかに頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、変性疾患などがあります。
純粋失読や純粋失書のように一つのモダリティだけが障害されるものは、失語症と区別して扱います。
【用語】
失語症:いったん獲得された言語が、脳の損傷によって障害され、聞く・話す・読む・書くが損なわれる状態である。
純粋失読:書字は保たれるのに、文字を読むことだけが障害される状態を指す。
純粋失書:他の言語機能が保たれているのに、書字だけが障害される状態を指す。
純粋語唖:発話が障害されるが、聴覚的理解や読み書きは保たれる状態を指す。
ランドウ・クレフナー症候群:小児期にてんかん性の異常が脳に生じ、獲得した言語が失われる疾患である。