正答3
解説
正解は3です。
聴覚障害児の文の理解は、語順や助詞の働きの習得に大きく左右されます。
「誰が何をどうした」という基本語順で、能動態の単純な文が最も早く理解できます。
【選択肢別解説】
1:× 「お兄ちゃんを弟がたたいた」は習得が遅れます。
目的語が先に来る語順の入れ替え文で、助詞「を」「が」の働きを理解しないと、誰が誰をたたいたのか取り違えやすいです。
2:× 「お母さんにりんごをもらった」は習得が遅れます。
「もらう」という授受動詞では、物の移動の方向と主語の関係を理解する必要があります。
3:○ 「春ちゃんはみかんを食べた」は最も習得が早い文型です。
主語、目的語、動詞の基本語順で、能動態の単純な文です。
4:× 「犬にえさを食べさせた」は習得が遅れます。
使役文では、動作をさせる人と実際に動作をする者の関係を理解する必要があります。
5:× 「後ろから友達に押された」は習得が遅れます。
受動文では、動作を受ける者が主語になるため、語順と意味の関係が逆転します。
【ポイント】
聴覚障害児は、語順を手がかりに「最初の名詞が動作主」と解釈しがちです。
そのため、語順の入れ替え文、受動文、授受文、使役文の理解が遅れやすいです。
【用語】
能動態:動作をする者が主語になる文の形で、「誰が何をした」という基本の語順の文である。
受動文:動作を受ける者が主語になる文で、動詞に「れる」「られる」がつく。
使役文:ある者に動作をさせることを表す文で、動詞に「せる」「させる」がつく。
授受動詞:「あげる」「もらう」「くれる」など、物のやりとりを表す動詞を指す。
助詞:語と語の関係を示す付属語で、「が」「を」「に」などがこれにあたる。