正答2
解説
正解は2です。
発声時呼気流率は、発声中に1秒間あたり声門を通過する呼気の量です。
声門がきちんと閉じないと呼気が漏れて呼気流率が増えます。
その結果、肺の空気を早く使い切るため、最長発声持続時間(MPT)が短くなります。
【選択肢別解説】
1:× 拘束性肺疾患でもMPTは短縮しますが、原因は肺活量の減少です。
声門の閉鎖は保たれるので、呼気流率の増加は典型的ではありません。
2:○ 反回神経麻痺では、麻痺した声帯が正中まで動かず、発声時に声門に隙間が残ります。
この声門閉鎖不全により呼気が漏れて呼気流率が増加し、MPTが短縮します。
3:× パーキンソン病では呼吸や発声の運動範囲が小さくなり、声量が低下します。
声門閉鎖不全が主体ではないため、呼気流率の増加によるMPT短縮の代表例とはいえません。
4:× 過緊張性発声障害では、声門が強く締めつけられます。
呼気流率はむしろ低下する方向です。
5:× 内転型痙攣性発声障害では、発声中に声帯が不随意に強く閉じて声が詰まります。
呼気流率は低下する方向です。
【ポイント】
声門閉鎖不全では「呼気流率の増加・MPTの短縮・気息性嗄声」がセットで生じます。
過緊張性や内転型痙攣性の発声障害では、反対に声門が締まりすぎて呼気流率が低下します。
【用語】
発声時呼気流率:発声している間に、1秒あたり声門を通り抜ける呼気の量を示す指標である。
最長発声持続時間:できるだけ長く声を出し続けたときの持続時間で、発声に必要な呼気の使い方を評価する検査である。
反回神経麻痺:声帯を動かす反回神経が障害され、声帯の動きが悪くなる状態である。
過緊張性発声障害:喉頭周囲の筋が過度に緊張して声門が強く締まり、努力して声を出す状態である。
内転型痙攣性発声障害:発声時に声帯が不随意に強く閉じて、声が詰まったりとぎれたりする発声障害である。
拘束性肺疾患:肺が十分に膨らまなくなり、吸い込める空気の量が減る病気の総称である。