正答2
解説
正解は2です。
補充現象(リクルートメント)は、閾値付近の小さな音は聞こえにくいのに、音を少し大きくすると急に大きく感じる現象です。
内耳性(迷路性)難聴に特徴的な所見です。
【選択肢別解説】
1:× 鼓膜は伝音系の器官です。
障害されても伝音難聴になり、補充現象は陽性になりません。
2:○ コルチ器には、音を感じ取る有毛細胞があります。
外有毛細胞は小さな音を増幅する働きを持つため、障害されると小さい音だけが聞こえにくくなります。
その結果、音の大きさの感じ方が急に変わり、補充現象が陽性になります。
3:× アブミ骨も伝音系の器官です。
耳硬化症などで固着しても伝音難聴となり、補充現象は陰性です。
4:× 蝸牛神経の障害は後迷路性難聴で、補充現象は陰性です。
後迷路性難聴では、音を聞き続けると聞こえにくくなる一過性閾値上昇が特徴です。
5:× 耳石器(卵形嚢と球形嚢)は平衡感覚の器官です。
聴覚の補充現象とは関係しません。
【ポイント】
補充現象を調べる検査には、SISI検査、ABLB検査、自記オージオメトリーなどがあります。
【用語】
補充現象:一定以上の強さになると音が急に大きく聞こえるようになる、内耳性難聴にみられる現象である。
コルチ器:蝸牛の基底板上にある聴覚の感覚器で、有毛細胞が音を電気信号に変える。
蝸牛神経:内耳の蝸牛から脳幹へ聴覚の情報を伝える感覚神経である。
耳石器:卵形嚢と球形嚢にある平衡覚の感覚器で、頭の傾きや直線加速度を感知する。