第107回 保健師国家試験 午後問110
A君(中学1年生)は、母親と養父、最近生まれた妹と4人家族である。
学校には休まず通っており、クラスでは無口だが暴力的になることがあった。
ある日の朝、A君の顔に片目全体を覆うようなあざがあることに気づいて学級担任や複数の教員が声をかけたところ、A君は「自転車に乗っていてぶつけた」と答えた。
昼休みに、掃除当番で保健室にきたA君に、養護教諭がそれとなく「どんなふうにけがをしたの?」と尋ねた。
すると、A君は養父からよく殴られることを打ち明けて「このことは誰にも言わないでほしい」と言った。
養護教諭は虐待の可能性があると考えて、A君が打ち明けてくれたことを肯定しながらA君の目の周りや心身の状態を観察しつつ、話を聴いた。
養護教諭は、A 君の状況を校長に伝え、その日の午後に開かれた校内委員会で共有した。
これまでの A 君の家庭に関する情報を集約した結果、虐待の疑いが強まり、児童相談所に通告することになった。
また、養護教諭から母親に電話し、A 君の目の周りのあざについて眼科医療機関の受診を勧めた。
翌日、A 君は普段通りに登校し学級担任に受診報告があった。
その後、養父から学校に電話があり、学級担任に「A は家の中でケガをしただけだ。
なにか家のことを話したのではないか。
話した内容を教えるように」と威圧的な態度で要求してきた。
この後、養護教諭や教職員が行う学校の対応で、最も優先されるのはどれか。
正答2
解説
正解は2。
「養父の言動を児童相談所と情報共有する。」が正しい。
事例問題では、年齢、症状、生活背景、検査値、妊娠週数や発達段階を手がかりに、現在のリスクと本人の意思を踏まえて優先順位を決める。
1の「A 君に眼科受診後の養父の様子を聞く。」は、事例の状態、時期、リスク、本人の訴えと優先順位が合わない。
支援として必要な場面はあっても、この設問で最初に選ぶ対応ではない。
2は正解選択肢で、小児では発達段階、保護者支援、安全確保、感染予防を合わせて判断する必要がある。
設問の時点で最も危険を減らす、本人の意思決定を支える、又は継続支援につながる選択肢である。
3の「目の周りのあざの経過観察を両親に依頼する。」は、事例の状態、時期、リスク、本人の訴えと優先順位が合わない。
支援として必要な場面はあっても、この設問で最初に選ぶ対応ではない。
4の「養父に学校に来てもらい A 君の学校生活について話をする。」は、事例の状態、時期、リスク、本人の訴えと優先順位が合わない。
支援として必要な場面はあっても、この設問で最初に選ぶ対応ではない。
事例問題では、選択肢がすべて支援らしく見えることがある。
設問の時点で最も危険を減らすもの、本人の意思決定を支えるもの、継続支援につながるものを優先する。まとめて解く
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