老人会で配られたおにぎりを食べた高齢者から食後2〜4時間で悪心・嘔吐、腹痛、下痢を訴える者が多発した。
おにぎりを作った調理人は手に切り傷があり、少し化膿しているものの、素手でおにぎりを握ったという。
正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
化膿した手の傷、素手で握ったおにぎり、食後2〜4時間という短い潜伏期から、黄色ブドウ球菌による食中毒と判断できます。
黄色ブドウ球菌は、食品中で増殖する際に毒素(エンテロトキシン)を産生します。
【選択肢別解説】
1:× 抗菌薬の投与は有効ではありません。
症状は体内で増える菌ではなく、すでに食品中で作られた毒素によるものだからです。
治療は補液などの対症療法が中心で、多くは1〜2日で回復します。
2:○ 症状は病原体が産生する毒素によるものです。
黄色ブドウ球菌が産生したエンテロトキシンを食品とともに摂取して発症する毒素型食中毒です。
毒素がすでにあるため、潜伏期が短いのが特徴です。
3:× 食品の加熱では予防できません。
菌は加熱で死滅しますが、エンテロトキシンは熱に強く、通常の加熱では壊れないからです。
予防には、手指に傷のある人が調理しないことや手袋の使用が重要です。
4:× 他者に感染させない措置は必要ありません。
毒素型食中毒であり、患者から他の人へ感染が広がることはないからです。
【ポイント】
黄色ブドウ球菌食中毒は「化膿創・おにぎり・潜伏期約3時間・耐熱性毒素」の組合せで覚えます。
同じ毒素型でも、ボツリヌス毒素は加熱で失活する点が異なります。