12歳の男児。
野球のピッチャーである。
毎日100球自主練習をし、週3回少年野球に参加している。
1か月前から投球時に右肩部から上腕にかけて痛みが出現し、最近では日常生活でも痛みを感じるようになった。
肩関節全体に痛みを訴えるが明らかな腫脹は認めない。
大結節下方外側に圧痛と熱感がみられた。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
12歳の投手が投球を繰り返し、肩から上腕に痛みが出ている症例です。
上腕骨近位の大結節下方外側に圧痛と熱感があり、ここは上腕骨近位骨端線の位置にあたります。
いわゆるリトルリーグ肩と判断します。
【選択肢別解説】
1:× 腱板損傷は、加齢による変性を背景にした中高年に多い損傷です。
12歳の成長期の投手では考えにくく、圧痛部位も骨端線部と合いません。
2:× SLAP損傷は上方関節唇の損傷です。
関節の深部の痛みや引っかかり感が主で、大結節下方外側の圧痛と熱感は説明できません。
3:○ 骨端線離開(上腕骨近位骨端線離開)は、成長期の投球過多で起こる疲労性の障害です。
投球動作で繰り返し加わる回旋や牽引のストレスにより、成長軟骨板が障害されます。
大結節下方外側の圧痛はこの骨端線部の所見です。
4:× 化膿性関節炎では、発熱、著明な腫脹、強い安静時痛がみられます。
明らかな腫脹がなく、投球との関連で徐々に悪化した本例とは合いません。
【ポイント】
リトルリーグ肩は、投球中止で多くは改善します。
エックス線で健側と比較し、骨端線の拡大を確認することが診断の手がかりです。