20歳の男性。
剣道部に所属している。
半年前から竹刀を振る際に右手関節の違和感を自覚していた。
その後、徐々に疼痛が出現したため来所した。
手関節背側に腫脹と圧痛および可動域制限と握力低下がみられた。
手指の運動痛はない。
写真(別冊No. 9)に圧痛部位を示す。
考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
竹刀を振る動作で手関節を酷使し、半年にわたり徐々に疼痛が強くなった症例です。
写真の×印は手関節背側の中央、手根骨の中央部に付けられており、月状骨の位置にあたります。
手指の運動痛がないことから、腱の障害は考えにくいです。
【選択肢別解説】
1:○ 月状骨軟化症(キーンベック病)は、月状骨が無腐性壊死に陥る疾患です。
手を酷使する20〜40歳代の男性に多く、手関節背側中央の圧痛、可動域制限、握力低下がみられます。
本例の慢性経過と圧痛部位に一致します。
2:× 月状骨脱臼は、手関節を強く背屈して手をつくなどの急性外傷で起こります。
半年かけて徐々に症状が出た本例の経過とは合いません。
3:× 尺骨茎状突起骨折は、転倒などの急性外傷で起こります。
圧痛は手関節の尺側にあり、背側中央の圧痛とは位置が異なります。
4:× 長母指伸筋腱腱鞘炎では、母指を動かすと痛みが出ます。
本例は手指の運動痛がないため、腱鞘炎は考えにくいです。
【ポイント】
キーンベック病は「手の酷使・手関節背側中央の圧痛・握力低下」が特徴です。
尺骨が橈骨より短いマイナスバリアントが発症に関係するとされます。