48歳の女性。
バレーボールの練習中、ボールを追いかけて、左中指を床に引っ掛け過伸展・尺側強制され受傷した。
来所時、左手を握らせた時の写真(別冊No.4)を別に示す。
損傷部位はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
写真は受傷した手を握らせたところで、中指が隣の指と重なり合い、指先の向きがそろわずに交差しています。
指を屈曲すると骨片の回旋のずれが強調されるため、この重なりは骨折部の回旋転位を示す所見です。
過伸展と尺側への強制という受傷機序と合わせると、基節骨骨折が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 中手骨は損傷部位として考えにくいです。
中手骨骨折は、拳で物を殴るなど長軸方向の外力で第4・第5中手骨頸部に多く生じます。
指の過伸展・側方強制で生じる骨折ではありません。
2:○ 損傷部位は基節骨です。
指に過伸展や側方への強制が加わると、てこの原理で基節骨に骨折が生じやすくなります。
基節骨骨折では骨片の回旋転位が起こりやすく、握ったときに指の重なり(交差)として現れます。
骨間筋と虫様筋の作用で、骨折部が掌側凸に変形するのも特徴です。
3:× 中節骨は損傷部位として考えにくいです。
中節骨骨折は基節骨骨折より少なく、浅指屈筋の付着部との位置関係で転位の方向が変わるのが特徴です。
4:× 末節骨は損傷部位として考えにくいです。
末節骨骨折は、ドアに挟むなどの挫滅や、突き指による伸筋腱付着部の裂離骨折(骨性マレットフィンガー)が多いです。
【ポイント】
指骨骨折では、回旋転位は伸展位では分かりにくく、屈曲させると指の重なりとして現れます。
固定の際は、指を屈曲したときにすべての指先が舟状骨結節の方向を向くように合わせます。