17歳の女性。
バスケットボール試合中に右膝前十字靱帯を負傷し、3週後に再建術を受けた。
図は術後8週での2本のゴムバンドを用いた大腿四頭筋の等張運動である。
下腿近位に当てたゴムバンドの役割はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
図は座位で下腿を垂らし、足関節部に掛けたゴムバンドの抵抗に抗して膝を伸展する運動です。
もう1本のゴムバンドは下腿近位の前面に掛けられ、後方のベッドの脚へ向かって張られています。
大腿四頭筋の収縮で膝を伸展すると、脛骨が大腿骨に対して前方へ引き出されます。
前十字靱帯は脛骨の前方移動を制動する靱帯なので、この力が再建靱帯の負担になります。
【選択肢別解説】
1:× 側方動揺性を抑えるには、下腿を内外側から支える必要があります。
図のバンドは下腿の前面から後方へ引いており、側方動揺性の制御ではありません。
2:× 膝蓋骨は大腿骨の前面にあり、下腿近位のバンドは膝蓋骨より遠位に掛けられています。
膝蓋骨の安定化を目的としたものではありません。
3:○ 下腿近位のバンドが脛骨を後方へ引くことで、大腿四頭筋の収縮による脛骨の前方移動が抑えられます。
再建靱帯への負担を減らしながら、大腿四頭筋を鍛えることができます。
4:× 膝蓋靱帯は膝蓋骨と脛骨粗面を結ぶ強い靱帯で、運動時にバンドで固定する必要はありません。
図のバンドの目的は膝蓋靱帯の固定ではありません。
【ポイント】
膝の伸展運動では、伸展の最終域に近づくほど脛骨を前方へ引き出す力が強くなります。
前十字靱帯再建術後は、再建靱帯を守る工夫をしながら大腿四頭筋の筋力回復を図ります。