45 歳の女性。
1 年前のコーレス(Colles)骨折によって、橈骨が軽度短縮転位している。
1 か月前からドアノブを回す際に違和感を手関節に覚え、1 週前から手関節尺側に腫脹と疼痛が出現した。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
1年前のコーレス骨折で橈骨が短縮した状態で癒合しています。
橈骨が短くなると、相対的に尺骨が長くなり、手関節の尺側で尺骨頭が手根骨にぶつかりやすくなります。
回内・回外を伴うドアノブ操作で尺側の痛みと腫脹が出ている点が鍵です。
【選択肢別解説】
1:× 橈尺骨癒合は、橈骨と尺骨が骨性につながって前腕の回内・回外ができなくなる状態です。
本例はドアノブを回せており、症状も手関節尺側の痛みであるため合致しません。
2:× 長母指伸筋腱断裂は、コーレス骨折後に橈骨背側のリスター結節付近で腱がすり切れて起こります。
症状は母指IP関節の伸展不能で、手関節尺側の痛みではありません。
3:○ 尺骨突き上げ症候群が考えられます。
橈骨の短縮で尺骨が相対的に長くなり、尺骨頭が三角線維軟骨複合体(TFCC)や月状骨・三角骨に突き上げるように当たります。
前腕の回旋や尺屈で手関節尺側の痛みと腫脹が生じます。
4:× 反射性交感神経性ジストロフィー(複合性局所疼痛症候群)は、骨折後早期から灼熱痛・腫脹・皮膚の色調変化や発汗異常が手全体に出る病態です。
1年後に尺側に限局して出現した本例の経過とは合いません。
【ポイント】
コーレス骨折の後遺症として、尺骨突き上げ症候群、長母指伸筋腱断裂、手根管症候群、反射性交感神経性ジストロフィーが頻出です。
症状の部位(尺側か橈側か)と出現時期で鑑別しましょう。