〔事例〕
Aさん(10歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。
毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。
また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。
お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。
現在は、特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が一人で担っている。
Aさんのこのような状態に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
Aさんには、道路への飛び出し、高い所に登る、パニック時に壁に頭を打ちつける、気持ちが高ぶると騒ぎ出すといった行動が毎日のようにみられます。
本人や周囲の安全を脅かす行動が頻繁に起こり、特別な配慮が必要な状態です。
【選択肢別解説】
1:× 注意障害は、注意を向け続けたり、必要な刺激を選んだりすることが難しくなる障害です。
Aさんの自傷や危険な行動の頻発を説明するものではありません。
2:× 遂行機能障害は、計画を立てて物事を順序よく進めることが難しくなる障害です。
主に脳損傷や認知症でみられ、Aさんの状態とは異なります。
3:○ 強度行動障害は、自傷や他害、危険な飛び出し、激しいこだわりなどが高い頻度で起こり、特別に配慮された支援が必要な状態です。
自閉症スペクトラム障害や知的障害のある人にみられ、Aさんの状態に当てはまります。
4:× 記憶障害は、新しいことを覚えられない、覚えたことを思い出せないといった障害です。
事例に記憶の問題を示す情報はありません。
5:× 気分障害は、うつ病や双極性障害など、気分の落ち込みや高揚が続く精神疾患です。
Aさんの行動は気分障害では説明できません。
【ポイント】
強度行動障害は、診断名ではなく、行動の状態を表す言葉です。
自傷・他害・危険な行動が頻繁に起こる状態で、行動援護などの支援の対象になります。