Aさん(60歳、男性)は、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)のため、物をつかもうとすると手が震え、起立時や歩行時に身体がふらつき、ろれつが回らないため発語が不明瞭である。
次のうち、Aさんの現在の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄の神経細胞が少しずつ失われていく病気です。
小脳は、体の動きを調整してなめらかにする働きをもっています。
Aさんの「物をつかもうとすると手が震え」「起立時や歩行時に身体がふらつき」「ろれつが回らない」という症状は、いずれも小脳の障害による運動失調の症状です。
【選択肢別解説】
1:× 運動麻痺は、筋肉を動かす力そのものが失われる状態です。
Aさんは手足を動かすことはでき、動きの調整がうまくいかない状態なので、運動麻痺ではありません。
2:○ 運動失調は、筋力はあるのに動きの協調がうまくいかない状態です。
動作時の手の震え(企図振戦)、体のふらつき、ろれつが回らない構音障害は、運動失調の典型的な症状です。
3:× 関節拘縮は、関節が固まって動く範囲が狭くなる状態です。
Aさんの症状とは異なります。
4:× 筋萎縮は、筋肉がやせて細くなる状態です。
Aさんの症状の説明には当たりません。
5:× 筋固縮は、筋肉がこわばり、他人が関節を動かすと抵抗を感じる状態です。
パーキンソン病の代表的な症状で、Aさんの症状とは異なります。
【ポイント】
小脳の障害は「運動失調」で、ふらつき、企図振戦、構音障害が三つのキーワードです。
パーキンソン病の「安静時振戦・筋固縮」との違いを押さえます。