〔事例〕
Lさん(76歳、女性、要介護1)は、自宅で娘と暮らしている。
軽度の認知症(dementia)と診断されたが、身体機能に問題はなく、友人との外出を楽しんでいる。
ある日、外食の後、自宅近くで保護されたとき、「ここはどこなの」と言った。
その後、自宅から出ようとしなくなった。
心配した娘が本人と相談して、小規模多機能型居宅介護を利用することになった。
利用開始時に、Lさんの短期目標を、「外出を楽しめる」と設定した。
2週間が過ぎた頃、Lさんから、近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したいと申し出があった。
当日、他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた。
買い物が終わり、歩いて戻り始めると、笑顔が消え、急に立ち止まった。
介護福祉職が声をかけると、「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言った。
Lさんの状況から、短期目標と支援内容を見直すためのカンファレンス(conference)が開かれた。
担当する介護福祉職の提案として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
正答1
解説
正解は1です。
Lさんの短期目標は「外出を楽しめる」です。
買い物そのものは笑顔で楽しめていましたが、帰り道で「ここはどこなの。どこに行くの」と不安になりました。
外出先から帰れなくなる不安は、以前に保護されたときから続いている課題であり、外出を楽しむための最大の妨げになっています。
【選択肢別解説】
1:○ 外出先から帰れなくなる不安に対応すれば、Lさんは安心して外出を楽しめるようになります。
短期目標の達成に向けて最も優先すべき提案です。
2:× 帰り道を変えると、見慣れない景色が増え、かえって場所がわからない不安を強めるおそれがあります。
3:× Lさんは自分から買い物ツアーへの参加を申し出ており、外出する意欲はあります。
新たに意欲をもたせる必要はありません。
4:× Lさんは身体機能に問題がなく、歩行も可能です。
身体機能の改善は課題ではありません。
5:× 事業所をなじみの場所にすることは大切ですが、今回の課題は外出先での不安です。
最も優先すべき提案ではありません。
【ポイント】
目標を見直すときは、目標の達成を妨げている原因に注目します。
Lさんの場合は「外出の楽しさ」は保たれており、「帰り道の不安」が課題です。