〔事例〕
Mさん(35歳、男性、障害支援区分5)は、脳性麻痺(cerebral palsy)による四肢麻痺で筋緊張がある。
日常生活動作は全般に介護が必要であり、電動車いすを使用している。
これまで、本人と母親(70歳)の希望で、自宅で二人暮らしを続けてきた。
Mさんは3年前から、重度訪問介護を利用している。
軽度の知的障害があるが、自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。
相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は、「やりたいことに挑戦し、生活を充実させる」となっている。
Mさん自身も、やりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから、次の個別支援会議で検討する予定になっていた。
ある日、重度訪問介護の利用時、パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが、介護福祉職に、「ボール投げるの、おもしろそう」と話した。
いくつかのスポーツクラブを見学後、介護福祉職はMさんから、「このスポーツクラブが近いから、入会前に体験したい」と伝えられた。
Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
Mさんは見学の後、「このスポーツクラブが近いから、入会前に体験したい」と、自分で考えて希望を伝えています。
介護福祉職は、Mさんが自分で決められるように支える立場です。
体験の方法、費用、移動手段、必要な配慮など、Mさんが判断するのに必要な情報を提供します。
【選択肢別解説】
1:× 脳性麻痺による筋緊張は、訓練で回復させるものではありません。
Mさんの希望とも関係がなく、本人の意向に沿った対応ではありません。
2:× Mさんは自分でスポーツクラブを選んでいます。
母親が決めたクラブを勧めるのは、本人の自己決定を尊重していません。
3:× Mさんは「入会前に体験したい」と話しています。
すぐに入会を勧めるのは、本人の希望に反します。
4:○ Mさんが自分で判断できるよう、体験や入会に必要な情報を提供することは、意思決定支援の基本です。
5:× スポーツクラブの体験に、相談支援専門員の許可は必要ありません。
決めるのはMさん本人で、相談支援専門員とは情報を共有して連携します。
【ポイント】
意思決定支援では、本人が選べるように「わかりやすい情報を提供する」ことが中心です。
介護福祉職や家族が代わりに決めてしまわないことが大切です。