〔事例〕
Cさん(90歳、女性)は、動物好きで長年ペットのオウムを飼っている。
5年前に夫が亡くなったときも、ペットが大きな心の支えになった。
2年前、身体の衰えから買物や調理などの家事が難しくなり、一人暮らしが困難になったので、ペットと入所できる健康型有料老人ホームに入所した。
最近Cさんは、毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう、トイレの場所がわからず失禁するなどの症状が繰り返し生じるようになってきた。
心配した娘がCさんと病院を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受けた。
健康型有料老人ホームでは対応が困難になってきたため、心配した娘はCさんが入所できる施設に移ることを検討し始めた。
次のうち、最近のCさんの症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
Cさんには、「毎週楽しみにしていたレクリエーションがある曜日や時間を忘れてしまう」「トイレの場所がわからず失禁する」という症状が繰り返しみられます。
これらがどの認知機能の障害にあたるかを考えます。
【選択肢別解説】
1:× 妄想は、事実ではないことを本当だと強く信じ込む症状です。
Cさんにそのような言動は書かれていません。
2:○ 曜日や時間がわからなくなるのは時間の見当識障害、トイレの場所がわからなくなるのは場所の見当識障害です。
アルツハイマー型認知症で早くからみられる症状です。
3:× 失語は、言葉を話したり理解したりすることが難しくなる症状です。
Cさんに言葉の障害は書かれていません。
4:× 遂行機能障害は、計画を立てて段取りよく物事を行うことが難しくなる症状です。
事例の症状とは異なります。
5:× 観念失行は、道具の使い方や一連の動作の手順がわからなくなる症状です。
事例の症状とは異なります。
【ポイント】
見当識障害は、時間、場所、人の順にわかりにくくなるとされます。
トイレの場所がわかるよう表示を工夫するなど、環境を整える支援が有効です。