Aさん(72歳、男性)は記憶障害があり、介護施設に入居している。
ある日、介護福祉職にAさんが、「あの、ちょっとお願いがあるんです。ええとね、実は、お昼ご飯をほとんど残しちゃいました…。それでね…、あ、あれかな、調理師さんはがっかりしたかな、私はずっと食堂をやっていたんですよ。店はけっこう繁盛していたけど閉めることになってね。あ、ええと何の話だったかな…」と話しかけてきた。
次のうち、このときのAさんの発言を促すための介護福祉職の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答5
解説
正解は5です。
記憶障害のある利用者の話が脱線したときに、発言を促す応答を問う問題です。
Aさんは「ちょっとお願いがあるんです」と話し始めましたが、話がそれて「何の話だったかな」と最初の用件を忘れています。
【選択肢別解説】
1:× 店を閉めたことは、話の途中でそれた話題です。
この話題に応じると、Aさんが伝えたかった「お願い」から遠ざかってしまいます。
2:× 得意な料理を尋ねると、さらに別の話題に広がってしまいます。
Aさんが本来話したかった用件を引き出すことにつながりません。
3:× 調理師のことを気にしなくてよいと伝えるのは、Aさんが何を頼みたいのかを確かめる前に結論を出しています。
Aさんの発言を促す応答ではありません。
4:× Aさんは体調の不調を訴えていません。
話の内容と関係のない質問であり、Aさんの混乱を強めるおそれがあります。
5:○ Aさんが最初に話した「お願いがある」という言葉に戻して問いかけています。
本来の用件を思い出すきっかけとなり、Aさんの発言を促すことができます。
【ポイント】
話が脱線しやすい人には、本人が最初に話した言葉を手がかりに、話の筋を戻す声かけが有効です。
介護福祉職が話題を決めつけたり、新しい話題を加えたりしないことが大切です。