Aさん(83歳、男性、要介護1)は、一人暮らしで、少額の年金で生活している。
Aさんは軽度の認知症(dementia)と診断を受けている。
近所には親しくしている人が複数人いる。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、近所のスーパーで購入した未開封の健康食品が山積みになっていた。
Aさんが財布を持ってきて、「買いたいものがたくさんあるが、お金が足りない。どうしたらよいか」と訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
このときの訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
軽度の認知症のある一人暮らしの利用者から、お金の使い方について相談を受けたときの訪問介護員の対応を問う問題です。
事例では、Aさんは「少額の年金で生活」しており、「未開封の健康食品が山積み」になっていますが、自分から「どうしたらよいか」と相談しています。
【選択肢別解説】
1:× 根拠なく「お金は足りている」と伝えるのは、事実に基づかない対応です。
Aさんの相談に向き合っておらず、不必要な買物も続いてしまいます。
2:× 近所の人に財布を預けると、金銭トラブルや人間関係の悪化を招くおそれがあります。
本人の財産を第三者に預けることを訪問介護員が依頼するのは、適切ではありません。
3:× 訪問介護員が財布の鍵を管理することは、本人の財産管理の権利を奪う行為であり、職務の範囲も超えています。
金銭の管理は、本人の同意のもとで日常生活自立支援事業などの適切な制度を利用して行います。
4:○ 本人が自分から相談しているので、その気持ちを受け止め、お金の使い方を一緒に考える提案が適切です。
Aさんの自己決定を尊重しながら、必要に応じて介護支援専門員などにつなぐきっかけにもなります。
5:× クーリング・オフは、訪問販売や電話勧誘販売などに適用される制度です。
スーパーなどの店舗で自分から購入した商品には、原則として適用されません。
【ポイント】
認知症の人の金銭管理の支援では、まず本人の思いを聞き、本人と一緒に考えることが基本です。
継続的な支援が必要な場合は、介護支援専門員に報告し、日常生活自立支援事業や成年後見制度の利用を検討します。