Aさん(88歳、女性)は、4年前に、認知症(dementia)と診断された。
在宅で長男が介護している。
Aさんは、3か月前から、何度もトイレ以外で排泄しようとする様子がみられた。
長男が繰り返しトイレの場所を教えているが、状態は変わらない。
長男はAさんに対して、「何回、同じことを言ったら、わかるんだ」と大声でどなってしまい、その後で落ち込むようになった。
また、長男は、「認知症(dementia)がいつまで続くのか」「自分に何か問題があったのではないか」と言って、自分を強く責めている。
次のうち、Aさんの認知症(dementia)を長男が受け入れる過程と考えた場合、このときの長男の心理的特徴に該当する段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
認知症の人の家族が、病気を受け入れていく過程のどの段階にあるかを問う問題です。
事例の長男は、「何回、同じことを言ったら、わかるんだ」と大声でどなってしまい、その後で落ち込み、「自分に何か問題があったのではないか」と自分を強く責めています。
【選択肢別解説】
1:× ショック期は、診断を受けた直後などに強い衝撃を受け、ぼう然とする段階です。
長男は診断から4年たっており、この段階ではありません。
2:× 否認期は、認知症であることを認めようとせず、「そんなはずはない」と否定する段階です。
長男はAさんの症状を前提に介護しており、否認の段階ではありません。
3:○ 混乱期は、症状に振り回されて怒りや苛立ちが強くなり、その後で落ち込んだり自分を責めたりする段階です。
長男がどなってしまい、落ち込み、自分を強く責めている様子は、混乱期の心理的特徴に当たります。
4:× 解決への努力期は、症状への理解を深め、相談や工夫によって前向きに対処しようとする段階です。
長男はまだ感情が揺れ動いており、この段階には至っていません。
5:× 受容期は、認知症のあるAさんをありのままに受け入れ、穏やかに介護できる段階です。
長男の様子は、受容期には当たりません。
【ポイント】
家族は、怒りや自責の念を抱く時期を経て、少しずつ受け入れていきます。
混乱期の家族には、気持ちを受け止めるとともに、症状の理解を助ける情報提供や家族会の紹介などで支えます。