区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分について B と定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」 という。) を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正答1
解説
正解は1。
借地借家法38条の定期建物賃貸借の成立要件(書面)、期間、事前説明、賃料増減額請求を排除する特約を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 定期建物賃貸借は、「公正証書による等書面によって」契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができます(借地借家法38条1項)。
公正証書は書面の例示にすぎず、公正証書以外の書面でも有効に成立するため、「公正証書によってしなければならない」とする点が誤りです。
2:○ 定期建物賃貸借では、期間を1年未満とする建物の賃貸借を期間の定めがないものとみなす規定(借地借家法29条1項)が適用されないため、1年未満の期間を定めることもできます。
3:○ 賃貸人は、あらかじめ賃借人に対し、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、説明しなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となります(借地借家法38条)。
4:○ 定期建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、借賃増減額請求権(借地借家法32条)の規定は適用されません(借地借家法38条)。
そのため、相互に賃料の増減額請求をしない旨の特約も有効です。
【ポイント】
定期借家は「書面(公正証書に限らない)」「1年未満も可」「事前の書面交付+説明がないと更新なしの定めが無効」「賃料改定特約で増減額請求を排除可」の4点がセットで出題されます。
※現行法(2022年5月施行)では、契約や事前説明の書面は一定の要件のもとで電磁的記録・電磁的方法によることも認められています。