マンションの区分所有者Aは、リフォーム会社 B との間で、住戸内の浴室をリフォームする内容の請負契約(以下、本問において「本件契約」 という。) を締結したが、この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正答3
解説
正解は3。
2020年4月施行の改正民法による請負の契約不適合責任と、注文者の解除権(641条)・注文者の破産(642条)がテーマです。
【選択肢別解説】
1:○ 請負にも売買の契約不適合の規定が準用されます(民法559条)。
代金(報酬)減額請求は、まず相当の期間を定めて履行の追完(修補)を催告し、その期間内に追完がないときに初めてできるのが原則です(民法563条1項)。
修補が可能なのに「直ちに」減額請求することはできません。
2:○ 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は契約を解除できます(民法642条1項)。
ただし請負人からの解除は仕事完成前に限られますが、本肢は「工事完成前」なので正しい記述です。
3:× 注文者が損害を賠償して契約を解除できるのは「請負人が仕事を完成しない間」に限られます(民法641条)。
工事が契約内容に適合して完成した後は、損害を賠償しても解除できません。
4:○ 注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、追完請求・報酬減額請求・損害賠償請求・解除ができなくなります(民法637条1項)。
【ポイント】
641条の任意解除は「完成前」だけです。
改正民法の契約不適合は「知った時から1年以内の通知」が必要で、減額請求は原則として追完の催告が先という順序を押さえましょう。