甲マンションの住戸101号室をA、B、Cの3人が共有し、住戸102号室を所有者に無断でDが占有している場合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
正答4
解説
正解は4。
共有物の分割、時効取得と共用部分の持分、占有の推定を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 各共有者はいつでも共有物の分割を請求できますが、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることができます(民法256条1項)。
不分割契約をしている以上、その期間内は分割を請求できず、「いつでも分割を請求できる」とする点が誤りです。
2:× 共有物の分割について協議が調わないときは、裁判所に分割を請求でき、裁判所は現物分割や賠償分割(一部の共有者に取得させ他の共有者に価格を賠償させる方法)を命ずることができます(民法258条2項)。
競売は、これらの方法で分割できない場合や、分割によって価格を著しく減少させるおそれがある場合に命じられるもので(同条3項)、「競売による方法しか認められない」とする点が誤りです。
3:× 共用部分の共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従います(区分所有法15条1項)。
Dが専有部分の区分所有権を時効取得した場合、共用部分の共有持分もこれに従って取得することになり、「時効により取得することはできない」とする点が誤りです。
4:○ 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定されます(民法186条1項)。
なお、「無過失」は推定されません。
【ポイント】
占有の推定は「所有の意思・善意・平穏・公然」の4つで、「無過失」は含まれません。
共用部分の持分は専有部分と分離できず、専有部分の取得に従う点も押さえましょう。