団地内建物の建替え決議に関する次の記述のうち、区分所有法によれば、不適切なものはいくつあるか。
ア団地内建物の建替え決議については、一括建替え決議をする場合でも、団地内の特定の建物のみを建て替える場合でも、いずれも、全ての建物が専有部分のある建物である必要はない。
イ一括建替え決議は、団地内建物の敷地が、その団地内建物の区分所有者全員の共有になっている場合でなければならない。
ウ団地管理組合の規約の定めにより、団地内の専有部分のある建物の管理を棟別の管理組合で行うことになっている場合には、その規約の定めを、団地管理組合の管理で行う旨に改正しない限り一括建替え決議はできない。
エ団地内の特定の建物のみで建替え決議をする場合には、当該建物の建替え決議に加えて、団地管理組合の集会において、敷地共有者の数及び議決権の各4分の3以上の特別多数による建替え承認決議と、当該建替えによって特別の影響を受ける者の承諾が別途必要である。
正答2
解説
正解は2(不適切なものは二つ)。
団地内の建物の建替え承認決議(区分所有法69条)と一括建替え決議(同法70条)の要件の違いを問う個数問題です。
【選択肢別解説】
ア:× 団地内の特定の建物の建替え承認決議(69条)は、団地内に戸建て等の専有部分のない建物が含まれていても利用できます。
しかし一括建替え決議(70条)は、団地内建物の「全部が専有部分のある建物」であることが要件です。
「いずれも全ての建物が専有部分のある建物である必要はない」とする点が誤りです。
イ:○ 一括建替え決議は、団地内建物の敷地(これに関する権利を含む)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合でなければできません(区分所有法70条1項)。
ウ:○ 一括建替え決議をするには、団地内の専有部分のある建物について、団地管理組合が管理する旨の規約(区分所有法68条1項)が定められていることが要件です(区分所有法70条1項)。
棟別管理とされている場合は、規約を改正しなければ一括建替え決議はできません。
エ:× 建替え承認決議は、団地管理組合の集会において「議決権の4分の3以上」の多数で行います(区分所有法69条1項)。
「敷地共有者の数」は要件ではありません。
また、建替えが他の建物の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、当該他の建物の区分所有者全員の議決権の4分の3以上を有する区分所有者の賛成が必要とされるのであって(同条5項)、「特別の影響を受ける者の承諾」が別途必要となるわけではありません。
よって不適切なものはア・エの二つです。
【ポイント】
建替え承認決議は「議決権の4分の3以上」だけで、頭数要件はありません。
一括建替え決議は「全棟が区分所有建物」「敷地が共有」「団地規約で棟の管理を団地管理組合が行う」の3要件です。
※2026年4月施行の改正区分所有法では、耐震性不足など一定の客観的事由がある場合に建替え決議の多数決要件を緩和するなど、建替え関係の決議要件が見直されています。