窒素を指標として、たんぱく質の消化吸収率を求めるために、成人男性を被験者として、米を用いた試験食によるバランス・スタディを行った。
被験者は、エネルギー及び窒素の平衡状態にあり、試験食からの窒素摂取量 10.0 g/日、糞便中窒素排泄量 1.6 g/日、尿中窒素排泄量 7.5 g/日、及び皮膚、毛髪、爪からの窒素損失量 0.9 g/日であった。
無たんぱく質食摂取時の糞便中窒素排泄量は 1.0 g/日であり、この値を内因性損失量(内因性排泄量)とした。
試験食に用いた米の栄養素に関する記述である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5です。
バランス・スタディに用いた米の栄養学的な特徴を問う問題です。
米は精白の程度によって、ぬか層や胚芽に含まれる栄養素の量が大きく変わります。
【選択肢別解説】
1:× 米の第1制限アミノ酸は、トリプトファンではなくリシン(リジン)です。
穀類は全般にリシンが少ない傾向があります。
2:× ビタミンB1の含有量は、精白米より玄米のほうが多くなります。
ビタミンB1はぬか層や胚芽に多く含まれ、精白で取り除かれるためです。
3:× アミロペクチンの含有量は、うるち米よりもち米のほうが多くなります。
もち米のでんぷんはほぼすべてがアミロペクチンで、うるち米は約8割がアミロペクチン、約2割がアミロースです。
4:× 精白度が上昇すると、たんぱく質の見かけの消化吸収率は低下するのではなく上昇します。
消化を妨げるぬか層の食物繊維が取り除かれるためです。
5:○ 精白度が上昇すると、カリウムの含有量は低下します。
カリウムなどのミネラルはぬか層や胚芽に多く含まれ、精白によって失われるためです。
【ポイント】
精白によって減るのは、ビタミンB1、ミネラル、食物繊維、脂質などです。
一方、炭水化物(でんぷん)の割合は高まり、消化吸収率は上がります。