55歳、男性。
身長 170 cm、体重 50 kg。
入院前 1か月で 10% の体重減少がみられ、最近 1週間経口摂取不能であった。
エネルギー 2,000 kcal、アミノ酸 60 g、脂肪 20 g の静脈栄養を開始した場合の投与 2日目のモニタリング結果である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
リフィーディング症候群を問う問題です。
この患者は体格指数(BMI)が約17.3と低く、1か月で10%の体重減少と1週間の摂取不能があり、高リスクです。
そこに2,000 kcalの静脈栄養を急に始めたため、インスリン分泌が急増し、電解質が細胞内へ移動します。
【計算】
BMI=体重(kg)÷身長(m)²
=50÷1.70²
=50÷2.89
=約17.3 kg/m²
【選択肢別解説】
1:× 血清トリグリセリド値の低下は、この時期の典型的な変化ではありません。
大量の糖の投与ではむしろ肝臓での脂肪合成が進み、上昇することがあります。
2:× 血清リン値は、上昇ではなく低下します。
リンはATP産生や糖のリン酸化に使われて細胞内へ取り込まれ、低リン血症はリフィーディング症候群の最も特徴的な所見です。
3:× 血清カリウム値は、上昇ではなく低下します。
インスリンの作用でカリウムがグルコースとともに細胞内へ移動するためです。
4:○ 血清マグネシウム値の低下がみられます。
マグネシウムもリンやカリウムと同様に、細胞の代謝の再開に伴って細胞内へ移動するためです。
5:× 血清インスリン値は、低下ではなく上昇します。
大量の糖が投与されることで、インスリン分泌が急激に増えるためです。
【ポイント】
リフィーディング症候群では「リン・カリウム・マグネシウムの低下」と「ビタミンB1欠乏」が起こります。
高リスク患者では、少ないエネルギー量から始めて電解質を監視しながら徐々に増やします。