K 病院に勤務する管理栄養士である。
消化器内科病棟を担当して、入院患者の栄養管理を行っている。
患者は、19歳、男性。
3年前にクローン病を発症して治療を受けたあとは寛解が続いていた。
しかし、一週間前より腹痛と下痢が続くようになり、このたび下血が認められたため再入院となった。
身長 172 cm、体重 60 kg。
空腹時血液検査値は、赤血球数 370 × 10⁴/mm³、ヘモグロビン 10.2 g/dL、ヘマトクリット 36.0%、総たんぱく質 6.6 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL、尿素窒素 24 mg/dL、クレアチニン 1.0 mg/dL、CRP 2.5 mg/dL。
この患者に対して、薬物治療とともに、経腸栄養剤を用いて栄養管理を行うことになった。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
患者は19歳男性で、寛解していたクローン病が再燃し、腹痛、下痢、下血がみられます。
CRP 2.5mg/dLと炎症反応が上昇し、ヘモグロビン10.2g/dLの貧血、アルブミン3.4g/dLの軽度低下もあり、活動期と判断できます。
活動期のクローン病では、腸管を安静にしながら栄養を補給できる栄養剤を選びます。
【選択肢別解説】
1:× 免疫賦活を目的とした栄養剤(アルギニンやn-3系脂肪酸などを強化したもの)は、主に手術前後の感染予防に用いられます。
クローン病の活動期に選ぶ栄養剤ではありません。
2:× 分枝アミノ酸(BCAA)が多い栄養剤は、肝硬変などで用いる肝不全用の栄養剤です。
クローン病の栄養管理には用いません。
3:× クローン病の活動期は、炎症や下血によって栄養状態が悪化しやすい時期です。
たんぱく質を制限する理由はなく、十分に補給します。
4:○ 窒素源がアミノ酸である栄養剤(成分栄養剤)は、消化をほとんど必要とせず、脂質も極めて少ない栄養剤です。
抗原性が低く腸管への負担が少ないため、クローン病の活動期に最も適しています。
【ポイント】
クローン病では、成分栄養剤による栄養療法が寛解導入と寛解維持の両方に用いられます。
成分栄養剤は脂質が少ないため、長期使用では必須脂肪酸の欠乏に注意します。