K 市の健康増進課に勤務する管理栄養士である。
K 市では高血圧の有病率が全国より高いため、中高年で正常高値血圧の者を対象とした栄養教室(月 1回、通年)を企画した。
特定健康診査の際に収縮期血圧が 130~139 mmHg であった者に周知し、参加希望を募った。
教室参加者は 40名となった。
対照群を設けることができず、教室の評価は前後比較で行うことになった。
教室終了時の事後調査に協力が得られた者は22名であった。
食塩摂取量を教室の前後で比較したところ、統計的に有意な減少が認められた。
この結果の解釈である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
この教室は対照群を設けず、参加者の教室前後の値を比べる前後比較で評価しています。
前後比較では、変化が教室の効果なのか、他の要因によるものなのかを区別できない点が限界です。
【選択肢別解説】
1:× 前後で統計的に有意な減少があっても、季節の変化や社会全体の減塩の流れなど、教室以外の要因の影響を否定できません。
教室の効果があったとは言い切れません。
2:○ 対照群がないため、教室に参加しなかった人でも同じように減少した可能性を否定できません。
教室の減塩効果があったとはいえないという解釈が最も適切です。
3:× 前後比較は同じ人どうしの変化をみるので、性別の違いが結果をゆがめることはありません。
性別の調整がないことは、効果を否定する理由になりません。
4:× 事後調査に協力した22名は、意欲が高く減塩に取り組んだ人に偏っている可能性があります。
そのため変化は過小評価ではなく、過大評価されているおそれがあります。
【ポイント】
前後比較のみの評価では、効果があった「可能性」までしかいえません。
脱落者が多い場合は、協力者の偏り(選択バイアス)にも注意が必要です。