K総合病院に勤務する管理栄養士である。
緩和ケアチームによるラウンドを行っている。
患者は、73歳、男性。
昨年、膀胱がんに対して手術を行った。
先月来院時に肺への転移が確認され、積極的治療を希望したため、再入院し、1か月の抗がん剤治療を開始した。
再入院時の身長165cm、体重60kg、血圧136/80㎜Hg、空腹時血液検査値は、赤血球410万/μL、アルブミン3.7g/dL、尿素窒素14㎎/dL、クレアチニン1.1㎎/dL。
治療開始1週間後に、さらに嘔気が強くなり、食事摂取量が必要栄養量の1/3以下となり、体重も1週間で3%以上減少した。
この時点での栄養管理の方針である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
食事摂取量が必要量の1/3以下となり、1週間で3%以上の体重減少がみられます。
経口摂取だけでは栄養が足りず、人工栄養法による補給が必要な状態です。
【選択肢別解説】
1:× 嗜好の重視は、すでに食事内容の見直しとして行っています。
それでも摂取量が1/3以下に落ちており、経口摂取だけでは必要量を満たせません。
2:○ 消化管の機能自体は保たれているので、経腸栄養法を選択するのが原則です。
抗がん剤治療は1か月の予定で、短期間の経腸栄養には経鼻胃管が適しています。
3:× 胃瘻は、4週間以上の長期にわたり経腸栄養が必要な場合に選択します。
短期間の栄養補給のために手術的な処置を行うのは適切ではありません。
4:× 中心静脈栄養法は、消化管が使えない場合に選択します。
腸が使える場合は、生理的で合併症の少ない経腸栄養法を優先します。
【ポイント】
栄養補給法の選択では「腸が機能しているなら腸を使う」が原則です。
経腸栄養の期間が短期なら経鼻、4週間以上の長期なら胃瘻・腸瘻を選びます。