K 産科クリニックに勤務する管理栄養士である。
医師の指示のもと、妊婦の栄養カウンセリングを行うことになった。
妊婦 A さんは、36歳、事務職(身体活動レベル 1.50)。
妊娠 8週目、経産婦。
妊娠高血圧症候群の既往はあるが、現在は高血圧ではない。
身長 155 cm、標準体重53 kg、現体重 63 kg(妊娠前 60 kg)、BMI 26.2 kg/m2(妊娠前 25.0 kg/m2)、血圧120/72 mmHg。
妊娠 20週になって、現体重 66 kg、BMI 27.5 kg/m2、血圧 145/90 mmHg、ヘモグロビン 12.0 g/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL、尿素窒素 18 mg/dL、尿蛋白(-)となり、栄養食事指導の依頼があった。
降圧薬が処方されている。
たんぱく質と食塩の指示量として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
妊娠20週で血圧145/90mmHgとなり、降圧薬が処方されています。
妊娠20週以降に高血圧を発症しているので、妊娠高血圧症候群の栄養管理を行います。
尿蛋白は陰性で、腎機能(クレアチニン0.8mg/dL、尿素窒素18mg/dL)も保たれています。
【計算】
たんぱく質の目安は、標準体重×1.0g/kg/日です。
53kg×1.0g/kg=53g/日となり、約55g/日が適切です。
食塩は、極端な制限をせず7〜8g/日程度とします。
【選択肢別解説】
1:○ たんぱく質55g/日は標準体重当たり約1.0gで、妊娠高血圧症候群の目安に合います。
食塩7g/日は、極端に制限しない適度な量です。
2:× たんぱく質55g/日は適切ですが、食塩3g/日は厳しすぎる制限です。
極端な食塩制限は循環血液量を減らし、胎盤の血流を悪くするおそれがあります。
3:× 食塩7g/日は適切ですが、たんぱく質85g/日は標準体重当たり1.6gで多すぎます。
4:× たんぱく質85g/日は多すぎ、食塩3g/日は厳しすぎます。
どちらも妊娠高血圧症候群の栄養管理として不適切です。
【ポイント】
妊娠高血圧症候群の栄養管理は、エネルギーの適正化、食塩7〜8g/日程度、たんぱく質は標準体重×1.0g/日が目安です。
妊娠中の高血圧では、極端な食塩制限は勧められていません。