K 市の健康増進課に勤務する管理栄養士である。
市の教育委員会より、近年、新入学の児童における肥満傾向児の割合が増加していると情報提供があった。
そこで、肥満に関連する要因を検討し、対策を講じたいと考えた。
質問紙調査の結果から、児と保護者及び家庭の実態が把握できた(表)。
この結果を踏まえ、市内保育園の年中・年長児を対象とする、ポピュレーションアプローチのプログラムを計画した。
重要度と実現可能性を考慮した場合の優先度の高いプログラムである。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
表 質問紙調査の結果(肥満度の低い児については除く)(単位:%)
人数:肥満度が高い群=100名、肥満度がふつうの群=1,150名
[児の食行動]
菓子の摂取頻度:日に2回以上=高い31.0/ふつう28.0、日に1回以下=高い69.0/ふつう72.0
甘い飲み物の摂取頻度:日に2回以上=高い54.0/ふつう38.0、日に1回以下=高い46.0/ふつう62.0
他の児と比べたときの食べる速度:速い=高い22.0/ふつう18.0、ふつう=高い28.0/ふつう32.0、遅い=高い8.0/ふつう12.0、わからない=高い42.0/ふつう38.0
[保護者の食行動]
菓子の摂取頻度:日に2回以上=高い30.0/ふつう22.0、日に1回以下=高い70.0/ふつう78.0
甘い飲み物の摂取頻度:日に2回以上=高い47.0/ふつう24.0、日に1回以下=高い53.0/ふつう76.0
他の人と比べたときの食べる速度:速い=高い45.0/ふつう20.0、ふつう=高い44.0/ふつう60.0、遅い=高い11.0/ふつう20.0
[家庭環境]
間食の時間:決めている=高い51.0/ふつう64.0、決めていない=高い49.0/ふつう36.0
甘い飲み物の買い置き:あり=高い74.0/ふつう60.0、なし=高い26.0/ふつう40.0
正答3
解説
正解は3です。
表で肥満度が高い群とふつうの群の差が大きい項目ほど、重要度の高い課題と考えます。
対象は年中・年長児の全家庭であり、ポピュレーションアプローチとして実施しやすい方法を選びます。
【表から読み取れること】
甘い飲み物を日に2回以上とる児は、肥満度が高い群54.0%、ふつうの群38.0%と大きな差があります。
保護者でも47.0%と24.0%で差が大きく、甘い飲み物の買い置きも74.0%と60.0%で差があります。
一方、児の菓子の摂取頻度は31.0%と28.0%で、差は小さいです。
児の食べる速度も、速いが22.0%と18.0%で差は小さく、わからないが約4割を占めます。
【選択肢別解説】
1:× 児の食べる速度は2群の差が小さく、重要度は高くありません。
給食時間を延ばすには保育園の日課の変更が必要で、実現可能性も低いです。
2:× 児の菓子の摂取頻度は2群でほとんど差がありません。
肥満との関連が弱く、優先度は低いです。
3:○ 甘い飲み物は、児・保護者・家庭の買い置きのいずれも2群の差が大きく、重要度が高い課題です。
リーフレットの全家庭への配布は実施しやすく、ポピュレーションアプローチに当たります。
4:× 甘い飲み物の買い置きは重要な課題です。
しかし肥満度の高い児の保護者だけに説明するのは、ポピュレーションアプローチではなくハイリスクアプローチです。
【ポイント】
プログラムの優先度は、重要度(2群の差や影響の大きさ)と実現可能性の両面から判断します。
対象を限定するハイリスクアプローチと、全体に働きかけるポピュレーションアプローチを区別します。