K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、58歳、男性。
COPD で、 3年前より吸入薬を使用していた。
風邪がきっかけで呼吸困難となり救急搬送された。
入院後、気管支拡張薬、ステロイド薬が投与され、酸素療法を行っている。
入院時、身長 170 cm、体重 50 kg、BMI 17.3 kg/m2。
血圧 132/90 mmHg、心拍数135回/分、血清アルブミン値 3.8 g/dL、安静時エネルギー消費量 1,440 kcal/日。
この患者の 1日当たりの必要エネルギー量(kcal)を算出した。
最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)では呼吸筋の仕事量が増え、エネルギー消費量が増加します。
体重減少を防ぐため、必要エネルギー量は実測した安静時エネルギー消費量の1.5倍以上を目安とします。
事例文の「安静時エネルギー消費量1,440 kcal/日」「BMI 17.3 kg/m²」が根拠です。
【計算】
必要エネルギー量=安静時エネルギー消費量×1.5
1,440 kcal×1.5=2,160 kcal
選択肢の中で最も近いのは2,200 kcalです。
【選択肢別解説】
1:× 1,200 kcalは安静時エネルギー消費量より少なく、体重がさらに減ってしまいます。
2:× 1,440 kcalは安静時エネルギー消費量そのものです。
呼吸の仕事量や回復に必要なエネルギーが含まれておらず、不足します。
3:× 1,800 kcalは安静時エネルギー消費量の約1.25倍です。
やせ(BMI 17.3)のあるCOPD患者では不足します。
4:○ 2,200 kcalは安静時エネルギー消費量の約1.5倍にあたります。
増加したエネルギー消費を補い、体重を回復させるのに適した量です。
5:× 2,600 kcalは安静時エネルギー消費量の約1.8倍で過剰です。
急性増悪の直後に過剰なエネルギーを与えると、二酸化炭素の産生が増えて呼吸の負担が大きくなります。
【ポイント】
COPDの栄養療法は、エネルギーを実測安静時エネルギー消費量の1.5倍以上、たんぱく質を1.2〜1.5 g/kg/日程度とします。
体重減少はCOPDの予後不良因子なので、早めの栄養介入が必要です。