K 社健康保険組合の管理栄養士である。
K 社では男性の高血圧症の者の割合が高い。
その原因の一つに食塩の過剰摂取が考えられた。
そこで、男性社員の食塩摂取量の減少を目的として、利用率の高い社員食堂において、減塩メニューの充実による食環境整備と減塩教育を行うことになった。
7〜10月の 4か月間を実施期間とし、実施前後に食塩摂取量を把握して評価することとした。
A 事業所(男性 200人)を介入群(食環境整備および減塩教育)、同じ地域で、年齢構成、就業状況および規模が近似した B 事業所 (男性 180人)を比較群 (減塩教育のみ)とした。
取組実施前後の食塩摂取量の変化量について、A 事業所、B 事業所とも正規分布であることを確認した上で、結果を示した(表)。
統計学的な有意水準は両側 5%とする。
取組の効果の評価として、最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
表 取組実施前後の食塩摂取量の変化量(g/日)
A事業所:人数 170人、変化量の平均値 -0.54、変化量の平均値の95%信頼区間 -0.98〜-0.10
B事業所:人数 155人、変化量の平均値 -0.35、変化量の平均値の95%信頼区間 -0.91〜0.21
※人数は実施前後の食塩摂取量を把握できた者。
変化量=実施後の摂取量-実施前の摂取量。
正答3
解説
正解は3です。
変化量の平均値の95%信頼区間に0が含まれなければ、有意水準両側5%で有意な変化があったと判断します。
変化量は「実施後-実施前」なので、信頼区間全体が負なら有意な減少です。
【表の読み取り】
A 事業所の変化量の平均値は-0.54 g/日で、95%信頼区間は-0.98〜-0.10 g/日です。
信頼区間全体が0より小さいので、有意に減少しています。
B 事業所の変化量の平均値は-0.35 g/日で、95%信頼区間は-0.91〜0.21 g/日です。
信頼区間に0が含まれるので、有意な変化とはいえません。
【選択肢別解説】
1:× A 事業所の信頼区間は0を含まず、摂取量は有意に減少しています。
両事業所とも有意な変化がないとするのは誤りです。
2:× B 事業所の信頼区間は0を含むので、有意に減少したとはいえません。
両事業所とも有意に減少したとするのは誤りです。
3:○ A 事業所の信頼区間(-0.98〜-0.10)は全体が負で、0を含みません。
したがって A 事業所では、摂取量が有意に減少したと評価できます。
4:× B 事業所の信頼区間(-0.91〜0.21)は0を含みます。
平均値は減少していますが、有意な減少とはいえません。
5:× 信頼区間が示されているので、有意な変化があったかどうかは判断できます。
変化を判断できないとするのは誤りです。
【ポイント】
差や変化量の95%信頼区間に0が含まれるかどうかで、有意差の有無を判断できます。
比の場合(オッズ比や相対危険など)は、1が含まれるかどうかで判断します。