K 事業所の社員食堂を運営している給食受託会社の管理栄養士である。
K 事業所の男性社員はデスクワークが 1日の大半を占めており、他の事業所より、特に肥満 ( 1度:BMI 25以上 30 kg/m 2未満) の者の割合が高い。
これまで社員を対象に様々な栄養情報を提供してきたが、男性社員の健康への関心は薄い。
そこで、食環境整備を行うこととした。
初めに、K 事業所の 20〜60歳台男性社員の利用率が高い社員食堂において、男性社員(1,100人)のメニューの選択状況を、売上食数から把握した(表)。
表 K事業所の社員食堂における20〜60歳台男性社員のメニュー選択状況(上位5位)
1位:ミニカツ丼+ラーメン
2位:カレーライス+ご飯大盛り(+100 g)
3位:和麺(そば・うどん)
4位:カツ丼+ご飯大盛り(+100 g)
5位:定食(ご飯200 g、主菜(肉または魚)、副菜小鉢2つのセット)
(提供メニューにはほかにサラダ、野菜小鉢、麺大盛り(+100 g)もあった。複数の○がついているものは、それらを組み合わせて食べていることを示す。)
この取組を約6か月間継続したところ、定食の食数は着実に増加してきた。
そこで、健康管理部門と連携して、会社の健康課題である肥満解消に向けた効果を調べることにした。
職員健診の場を利用して、全男性社員を対象に、取組前後における食堂の利用状況に関するアンケート調査を行った。
以前は定食をほとんど利用していなかった者に限定して、データ分析を行った。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
取組の目的は肥満の解消なので、評価の指標には体格を表す BMI を用います。
以前は定食をほとんど利用していなかった人のうち、定食をよく利用するようになった群とそうでない群を比べます。
その際、もともと肥満だった人とそうでない人では体重変化の意味が異なるため、肥満の有無で層別化します。
【選択肢別解説】
1:× メニュー変更に伴う摂取エネルギーの変化量は、計算上の推定値です。
肥満が解消したかという結果を評価する方法ではありません。
2:× BMI の低下が大きかった10名だけを抽出すると、結果のよい人に偏った分析になります。
取組全体の効果を評価する方法としては不適切です。
3:× 体重の変化量を2群で比べるだけでは、もともと肥満だった人とそうでない人の違いを考慮できません。
肥満でない人の体重変化が混ざると、肥満解消の効果を正しく評価できません。
4:○ 取組前の肥満の有無で層別化し、定食の利用頻度で2群に分けて BMI の分布の変化を比べています。
対象者の背景の違いを考慮しながら、肥満解消への効果を評価できるので、最も適切です。
【ポイント】
層別化は、結果に影響する要因(交絡要因)ごとに分けて解析し、その影響を取り除く方法です。
評価の指標は、取組の目的(ここでは肥満の解消)に直結するものを選びます。